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国際バカロレア(IB) PYPフレームワークについて

ブログをお読みいただき誠にありがとうございます。
今回は、国際バカロレア(IB)の初等教育プログラム (PYP:プライマリー・イヤーズ・プログラム)を進めるうえで重要な“フレームワーク(探究型学習の枠組み)”についてご紹介します!
先生たちがどのようにPYPの探究型学習を作り上げているか、その一部をお見せできればと思います。

まず、大きな枠組みとして、国際バカロレアが定める「教科の枠をこえた」6つのテーマがあります。そのうち、4つを選び、1年をかけてそれぞれのテーマについて取り組みます。大項目であるテーマを基に、「フレームワーク/Framework」が組み立てられます。

教科の枠を超えた6つのテーマ

次に、テーマを基にした「中心的アイデア/Central Idea」を決めます。
中心的アイデアとは、探究型学習を進めるうえで核となる考えの部分です。

テーマのひとつ、「地球を共有するということ/Sharing the planet」を例にあげてみましょう。
このテーマの中心的アイデアには、「植物や動物は、育つため、元気でいるために、それぞれ特有のものを必要とする」というような環境に関する内容や、「人々の問題を解決するのは、関係者の行動や反応による」という社会に関する内容などがあります。学年によって、「地球を共有するということ」という同じテーマでも「中心的アイデア」は異なってきます。

K3(3歳児)クラス 「地球を共有するということ」探究の様子

 

また、PYPでは子どもたちの探究をサポートする手段の1つとして、7項目から成る「重要概念/Key concepts」に基づくカリキュラムを大切にしています。

中心的アイデア「植物や動物は、育つため、元気でいるために、それぞれ特有のものを必要とする」に当てはめて考えてみましょう。
【特徴(Form)】どのようなものか → ”植物や動物の特徴について”
【機能(Function)】どのように機能するか → ”植物や動物の生態のしくみについて”
【原因(Causation)】なぜそうなのか → ”植物や動物が元気でいるための環境について”
【変化(Change)】どのように変わっていくのか → ”植物や動物はどのように変化していくのかについて”
【関連(Connection)】どのようにつながっているのか → ”植物や動物はどのようにつながっているのかについて”
【視点(Perspective)】どのような見方があるのか → ”植物や動物をどのように分類できるかについて”
【責任(Responsibility)】どんな責任があるのか → ”植物や動物を育てるためにできることについて”

このような「重要概念」に基づいて、先生たちが子どもたちのために環境設定や問題定義をし、PYPのフレームワークが始まります。

PYPの探究型学習をフレームワークに沿って活動している際、学び方のツールになりうるスキルとして、5つのATLスキル(Approach to learning Skills)を子どもたちは身につけていきます。

①社会性スキル(Social Skills)
②リサーチスキル(Research Skills)
③思考スキル(Thinking Skills)
④コミュニケーションスキル(Communication Skills)
⑤自己管理スキル(Self-management Skills)

これらのスキルは、大人になっても非常に大切なスキルだと思います。
A-JBの子どもたちは、PYPのフレームワークや探究型学習を通じて、重要なスキルを日々身につけています。

早稲田キャンパス内にある「国際バカロレア10の学習者像」の制作物

おわりに
PYPのフレームワークについてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
ご家庭でもPYPのフレームワークを使って活動をサポートすることができると思います。
例えば、植物や動物をテーマに、お家で植物を育てたり、虫取りにチャレンジすることで、子どもたちの探究心を育てることができます。子どもたちの興味関心や個々の探究心に基づいて進め、遊びを通じて学びが広がるよう、ぜひお子様と一緒に過ごすうえで、参考にしてみてください。

参考資料/Source:Chris Gadbury https://www.magicstorybooks.com/learning-resources.html

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