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ルースパーツ遊びの中で学びの機会を見つけよう

2023年11月上旬、A-JB、A-JIS、およびSummer Hillの各キャンパスから教育関係者が、A-JIS光が丘キャンパスに集まり、合同の研修会に参加しました。学校に入ると、古いロープ、ボタン、鏡、布、コップなど、一見ガラクタに見えるものがテーブルいっぱいに並べられていました。捨てられそうなゴミに見えたこれらは、今回の研修を担当してくださった外部講師のリリエグレンさんのもので、研修で重要な役割を担っていました。このようなガラクタは、幼児教育者の間で「ルースパーツ」と呼ばれ、遊びを促したり、カリキュラムをサポートしたり、子どもたちの成長と学びを促進するために使われます。

合同研修以来、早稲田キャンパスの先生たちは「ルースパース」をどのようにカリキュラムに組み込むかを模索しています。私たちのインスピレーションと熱意は、スタッフミーティング中に独自のミニワークショップにつながります。子どもたちの成長にとって大きなメリットになることを話し合いながら、創造力を膨らませています。このブログの残りの部分では、私たちがディスカッションしたポイントや、ルース・パーツ理論に対する私たちの共通理解をご紹介します。

ルースパーツを探究する早稲田キャンパスの先生方

ルースパーツとは?

「ルースパーツ理論」のコンセプトは、1970年代に建築家兼エンジニアであったサイモン・ニコルソンが1970年代に行った先駆的な仕事から生まれました。ニコルソンは、環境が人間の行動に大きな影響を与えると考え、自由な発想の素材、つまり「ルースパーツ」を取り入れることで、子どもたちが創造性と想像力を発揮できると考えました。ひもや布のようなシンプルなものから、より複雑なものまで、探究とイノベーションのためのツールとなります。

幼少期にどのようなメリットがあるのか?

ルースパーツの遊びは、この重要な発達段階で多くのメリットがあります:

  • 創造性と想像力:ルースパーツの遊びは形にとらわれないので、子どもたちは制限なく探究し、創造することができます。ボタンを組み合わせて宇宙船のコントロールパネルにしたり、一枚の布がスーパーヒーローのマントに変身したり、可能性は無限大です。

ルースパーツに取り組むK5の子どもたち

  • 認知能力の発達:遊びは仕事であり、成長段階の心を鍛え、彼らの将来的な挑戦と、十分な情報に基づいた自信に満ちたリスクテイキングの準備をさせます。子どもたちが様々な素材に触れ、遊ぶことで、批判的思考、空間認識、問題解決能力を発達させます。
  • 粘り強さ: 逆境に立ち向かい問題を解決する、問題解決能力は就学前の幼児期だけでなく、生涯にわたって役立つ貴重なスキルです。挫折は学びの一部であり、ルースパーツは、子どもたちがミスをして挫折に直面し、回復力を養う機会となります。
  • 社会性と感情の成長: ルースパーツを使った共同遊びは、コミュニケーション力、協調性、共感力を促進します。子どもたちは他者の視点と関わり、感情を表現し、仲間とのつながりを築きます。

    国際的なドレスにインスパイアされた人形の服。子どもたちは紙、布、リボン、テープなどのルースパーツを使って表現しました。

プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)と、どのように関係するか?

国際バカロレアのプライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)は、全人教育と探究型学習を重視しています。ルースパーツは、これらに合致しています:

  • トランスディシプリナリー(教科の枠をこえた)学習: ルースパーツの遊びは、様々な教科を自然に統合し、概念のつながりや全体的な理解を育みます。
  • 学習へのアプローチ(ATL):この遊びは、PYPの枠組みにおける学習アプローチの重要な要素である、思考力、コミュニケーション力、社会性を養います。
  • 行動と振り返り:ルースパーツは、行動と振り返りというPYPの重要な要素に自然に適しています。子どもたちはアイデアを活かし具体的な作品を創る行動をします。また、その作品について話し合ったり、自分の考えを記録したり、次に試してみたいことを考え、振り返りを行います。

行動力、コミュニケーション力、読み書き能力、数学的スキル: K5の生徒がK2・K3のために作った教室の看板がそれらを表しています。

お家でできることは?
まず、捨てるものについてよく考えることから始めましょう。
一見ゴミに思えるものを捨てるのではなく、それらが持っている未知の可能性を考えてみましょう。

  • ルースパーツコレクションを作る: 様々な素材を集めた遊び場を用意しましょう。古い鍵、布の切れ端、厚紙の筒、ペットボトルのキャップなどは、子どもたちにとって創造性の宝庫となるかもしれません。
  • 保護者の参加: 遊びのパートナーになってください。子どもたちに質問し、興奮を分かち合い、一緒に想像力を膨らませましょう。ただの子どもの遊びだけでなく、親子の絆を深める経験になります。
  • 創造物を記録する: ルースパーツを使った作品を、絵や写真、文章で記録するよう子どもに勧めましょう。子どもの創造力をお祝いし、成長の過程を記録する楽しい方法です。お子様と一緒に、どれだけ多くのことを学んだかを振り返り、将来の目標を立てることができます。
  • 外に出かけよう: 近所の公園には落ち葉、小枝、棒、石などがいっぱいあります。これらのアイテムを使って遊ぶことで、子どもたちは十分な情報を得た上で選択し、リスクを取ることができます。ルースパーツの利点に加えて、共有スペースや責任についての理解を深める機会にもなります。訪れる際には必ず公園の規則やルールに従ってくださいね。

大人にも子どもにもインスピレーションを与えるおすすめの本
最後に、ルースパーツを使ったアイデアをもっと得たい場合は、ぜひこちらの絵本をお子様と一緒に読んでみてください:

“Not a Box” and “Not a Stick” by Antoinette Portis: These books show us that boxes and sticks are more than what they may appear to be.

“Beautiful Oops” by Barny Saltzberg: This book shows us how a simple mistake can be an big opportunity for self-expression and creativity. 

“Mattland” by Hazel Hutchins and Gail Herbert: In this book, a lonely young book builds a world of his own and connects with other children along the way. 

“Loose Parts: Inspiring Play in Young Children” by Lisa Daly, Miriam Beloglovsky, and Jenna Daly: A guide to loose parts and the concepts they teach. Full of inspiring photographs from real early-childhood classroom settings. 

 

References: 
“Loose Parts: Inspiring Play in Young Children” by Lisa Daly, Miriam Beloglovsky, and Jenna Daly
“How NOT to Cheat Children: The Theory of Loose Parts” by Simon Nicholson

William Chesser:
アトランタ首都圏出身。ダンスとカラーガードのインストラクター兼ディレクターとして地元のバンド・プログラムの教育に携わる。2010年に韓国の蔚山に移り、公立小学校で英語を教える。その後、2012年に北海道東部に移住。2014年から2017年まで静岡県に移住し勤務、2017年に東京に移住。2017年からA-JBでプライマリー・イヤーズ・プログラムで教鞭をとり、2022年からは早稲田キャンパスでPYPコーディネーターを務めている。

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William Chesser